練習球と公式球の違い

練習球とは、その名の通り日々の野球の練習に使われるボールです。
プロ野球球団の1軍などでは試合球と同じものを使う場合もありますが、基本的には練習球を使うことの方が多いです。

練習球は公式球と明確に分けられて販売されています。その理由として、使われている素材の違いがあります。牛革に関して、公式球はしっかりした張りのある背中部分の革が、そしてお腹部分の少し伸びた革が練習球などの安価なボールの素材として使用されます。また、巻きつけるウールに関して、まず硬式ボールはウール（羊毛）を巻き付けて作ります。ウールにはバージンウール（新品の羊毛）と再生ウール（混合の羊毛）の2種類があり、練習用のボールには再生ウールを使うことが多いです。バージンウールの方が繊維が長く復元力が強いため、耐久性があると言われていますが高価です。そのため練習球では再生ウールの割合が多くなります。ボールの縫い糸に関しては、試合球よりも練習球の方が素材の強いものを使うことが多いです。試合球では基本的に綿糸を使用しますが、これは投手が握りやすい素材として使われています。反対に、練習球では耐久性が高い方が重要なため、強度の高いケブラー糸などを使ったものが多いです。

練習球には、試合でも使える品質や素材のものもありますが、トレーニング目的別に特殊な素材を使ったボールや色付けされたものもあります。ピッチングトレーニング用として、通常より重量が重いボールや回転が分かるように紅白に色分けされたボールなどがあります。また、打撃用としてはティーバッティング用に小さく作られたボールや、ウレタン素材のボールなどもあります。また、夕方や薄暮時になってしまっても練習しやすい蓄光ボールや黄色に色付けされたボール、雨天時での耐久性も高い防水加工されたボールなどといった、天候に合わせて対応したボールも販売されています。練習球を使う際は、自身の目的に合ったボールを使うことが、よりよりトレーニングにつながります。