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変化球の基本的な練習方法

練習球と公式球の違い

まずは基礎能力から

野球のエースピッチャーには欠かせない、勝負球となる変化球。変化球の習得はプロ選手でも1種類に1年以上掛かると言われています。今回は変化球を身につける上で必要な、基本的な練習方法についてお伝えします。まず、工藤監督の投手時代(以下、工藤投手)の練習方式と、日体大の練習方式をご紹介します。工藤投手の練習法として、最初に10メートル前後の近い距離から投げ始めます。 その距離でしっかりと投げ込んで、思うように制球できるようになったら、次に1歩下がり、再び同じように投げ込みます。これを繰り返すことによって、実戦の距離まで下がったときには、既にかなりのコントロールがついている……と言う練習方法です。日体大での練習方法として、変化球を習得する際は事前に20~30mのやや遠い距離でのキャッチボールを中心に行っていきます。この距離を投げることによって、投手にしっかり腕を振って投げることを意識させていきます。最初は細かい制球や変化量を気にせず、球の強さを意識させることが目的です。腕を振って投げられるようになってはじめて、ブルペンでの練習に移ります。どちらも基礎的な制球や動きをできるようになってはじめて変化球を練習するという流れは共通です。

変化球のフォームチェックする場所は手首とヒジの2点

ここからは、実際に変化球を練習する際のフォームチェックについてお伝えします。コントロールを身につけるには、まず投球フォームをきちんとすることが大切です。変化球を練習する直前には、ストレートを投げて安定したフォームが身についているかどうか、確認しましょう。実際に変化球を投げる時に、チェックすべきフォームのポイントが2箇所あります。1つ目はリリース時の手首の角度です。変化球を「曲げよう」「落とそう」とすると、手首の角度が変わってしまい、背屈(手首を手の甲側へ曲げる動き)してしまっていることがあります。これでは制球もなかなか定まりません。もう1つは、ヒジの高さです。曲げようとしてヒジが下がっていると、腕が振られた時にヒジに負担がかかってしまいます。ボールの軌道に気を取られ過ぎず、自身のフォームも意識しながら投げて練習することが大切です。

自分だけの感覚を掴むことが重要

最後に、変化球の練習において重要なことをお伝えします。最近はプロ投手の球の握り方や投げ方などが動画や書籍で公開されていますが、大事なのは「自分で変化球の感覚を掴むこと」です。プロの動画や本はあくまでも見本。プロとあなたとでは指の長さも体つきも体力も異なるのです。またプロだからといって、見本が必ずしもあなたに合うとは限りません。見本のとおりにするのではなく、どんな投球やフォームがあなたに最適なのか色々と試してみることが大切です。そうして自分の感覚を探りながら試行錯誤することで習得に近づいていくのです。プロでさえ、変化球はたった1種類覚えるだけでも1年以上の時間が掛かります。それだけ難しいものだと分かった上で、あなたの勝負球となる変化球をじっくりと磨いていきましょう。